「ご自身で音楽教室を立ち上げたらいかがですか?」とお勧めすると、ほとんどの人は、無理だと即答します。その理由を尋ねると「自分一人では、多くのレッスンコースを用意できないし、かといって自分以外の講師を雇って、うまく経営する自信が無い」という答えが返ってきます。このお答えは私、鈴木学からすると「?」なのですが、意外にこのように信じ込んでいる人が多いようです。
実はこのように考えている人は、その前提として「音楽教室というものは、大手のヤ○ハのように、多種類の楽器コースを用意していなければならない」と信じ込んでいます。
自ら提供できるレッスンコースを!
結論から言えば、決してそんなことはありません。演奏家としてのあなた自身が、自信を持ってレッスンできる楽器、コースのみに絞って、専門音楽教室として運営すればよいのです。少なくとも経営する側、そしてレッスンを受講する側、どちらにとっても総合音楽教室である必要は全く無いのです。
鈴木サキソフォンスクールを立ち上げた当初、当時まだ完全には一般化していなかった、自前のホームページを通じて、大勢の皆様からお問い合わせいただきました。そうしてご縁をいただいた皆様に、「なぜ、当校を選んでくださったのですか?」と尋ねると、実に多くの方が「例えばラーメンを食べるならば、ファミレスよりも専門店で食べたい・・。そういう事ですよ」と仰りました。
私どもの場合、ボーカリストである家内と二人、自分たちで提供できるレッスンコースは、これだけだから、無理はせず、自信を持って提供できる内容のみに限定しようと、割り切って考えた結果として、専門音楽教室とした(このあたりの詳しい経緯はこちらのブログ記事をご覧いただけたらと思います)のですが、それがかえって、皆様から当校を積極的に選んでいただく理由となったのです。
他とは異なる独自性は?
そもそも、自ら経営するのであれば、他の音楽教室と同様のスタイルの教室にする必要はありません。特に、大手もしくは大規模の教室の場合、どこの土地でどんな講師を採用して教室を開設しても、ある程度の生徒数が集まり経営が成り立つように、最大公約数的な運営スタイルを採用します。一言で言えば、無難な経営にならざるを得ないのです。
それに対してあなたは、講師が自分自身で、教室を開設する予定の土地柄に特化した、運営スタイルを見出すのです。つまり、講師としてのあなたの強みは何か?徹底的に考え、それを提供する場所周辺の(専門性が高いほど、広いエリアを想定できます。そこそこ遠くからでも、生徒様は来校いただけるはずです)、楽器演奏愛好家の欲しているもの(ニーズ)を考える・・。そうすれば、必ず、大手とは異なる独自の運営スタイルが見つかるはずです。
他の教室とは異なる運営スタイルを採用するのは、大変に良いことです!少なくとも、部分的にではあっても独自の部分が無ければ、生徒様があなたの教室を積極的に選択する理由がありません。大手とは異なる、他の教室とは異なる部分があるから、生徒様に来校いただけるのです。